春になると体調を崩すのはなぜ?内科医が解説する「春のメンタル不調」の正体と対策
こんにちは。
お茶の水駅前生活習慣病クリニックで内科診療を行っている渡邊由衣です。
毎年この時期になると、外来でこんな声をよく聞きます。
「先生、風邪じゃないのにだるいんです」
「朝起きるのがつらくて…」
「気分が落ち込む日が続いていて」
実はこれ、珍しいことではありません。むしろ春特有の現象といってもいいくらいなんです。
春は、体にも心にも“環境の嵐”が吹き荒れる季節です。
暖かくなって嬉しいはずなのに、どうして体はついてこないのでしょうか?
今日はその理由と、具体的な対策をわかりやすくお話ししますね。
春に体調が悪くなる本当の理由
ポイントは「自律神経」です。
自律神経とは、呼吸・血圧・体温・内臓の働きなどを自動で調整してくれている神経です。いわば体の“自動運転システム”のようなもの。
ところが春は、
- 寒暖差が大きい
- 気圧が不安定
- 生活環境が変わる
- 人間関係が変わる
といった変化が一気に押し寄せます。
例えるなら、ジェットコースターに乗りながら仕事をしているような状態です。
自律神経はアクセル(交感神経)とブレーキ(副交感神経)のバランスで動いていますが、春はアクセルが踏みっぱなしになりやすい。
その結果、
- だるさ
- 動悸
- 不眠
- イライラ
- 気分の落ち込み
- 頭痛
- 胃腸の不調
などが起こります。
決して「気のせい」ではありません。
体の仕組みとして、ちゃんと説明がつく現象なんです。
春に不調が出やすい人の特徴
外来での経験から感じるのは、次のような方が影響を受けやすい印象です。
- 真面目で頑張り屋さん
「ちゃんとやらなきゃ」が口ぐせの方。無意識に緊張が続きます。 - 環境変化があった人
異動、転職、進学、家族の変化。実は“良い変化”でもストレスになります。 - 睡眠が不規則な人
夜更かしやスマホ習慣は自律神経を乱します。 - 花粉症がある人
アレルギー炎症も体力を奪います。
今日からできる具体的な対策
ではどうすればよいのでしょうか?
難しいことは必要ありません。
- 朝、太陽の光を浴びる
体内時計をリセットするスイッチになります。
カーテンを開けるだけでもOKです。 - ぬるめのお風呂に10分
38~40℃程度のお湯にゆっくり。
副交感神経が働きやすくなります。 - 「頑張らない日」を作る
意識的にアクセルを緩める日を作る。
これは怠けではなく“調整”です。 - カフェインを夕方以降控える
睡眠の質が変わります。 - 3行日記を書く
できなかったこと」ではなく
「今日できたこと」を書く。
小さな成功体験が脳を安心させます。
予想外に大切なこと
実は一番大切なのは、「相談すること」です。
春の不調は、放っておくと長引くことがあります。
甲状腺疾患や貧血、睡眠障害など、別の病気が隠れている場合もあります。
「こんなことで受診していいのかな?」
もちろん大丈夫です。
外来でお話を聞くだけで、表情がふっと柔らぐ方を何度も見てきました。
体の不調は、心からのサインでもあります。
春は芽吹きの季節。
でも芽が出るとき、植物もぐっとエネルギーを使います。
あなたの体も、今ちょうど“芽吹いている途中”かもしれません。
少しペースを落としてもいいんです。
お茶の水駅前生活習慣病クリニックでは、生活習慣病だけでなく、このような季節性の体調不良についても丁寧に診療しています。
「ちょっと相談したい」
その気持ちを大切にしてください。
一人で抱えなくて大丈夫です。
お気軽にご相談ください。
それでは、次回のブログでお会いしましょう。
〈執筆者情報〉
内科・神経内科 渡邊 由衣 医師
診療日・時間
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 09:00-13:30 14:30-17:00 | 8-12 13-17 | − | ||||
2019年北里大学卒業。東京医科歯科大学病院(現:東京科学大学病院)や二次急性期病院にて勤務しつつ、2021年より医療法人社団縁風会のユアクリニックお茶の水・ユアクリニック秋葉原にて勤務開始。2025年より同法人が新設したお茶の水駅前生活習慣病クリニックへ異動し、多忙な患者の生活に寄り添いながら健康を支える医師として活躍。
日本内科学会認定内科専門医、日本神経学会 神経内科専門医
