減酒外来、準備中!
こんにちわ(^^)
お茶の水生活習慣病クリニック、内科/循環器内科専門医のまたよしです。
寒波到来ですね❄️体調はいかがでしょうか?
さて今回は、新しく始めようとしている【減酒外来】について、お話したいと思います。
減酒外来、聞いたことはございますでしょうか?
従来のアルコール依存症の課題
従来のアルコール依存症の治療は、「断酒」を唯一のゴールとすることが主流でした。しかし、この考え方は、「断酒できないなら治療は失敗だ」と当事者を追い詰めてしまい、かえって治療から遠ざけてしまうという問題点がありました。
その反面、断酒に抵抗を感じる人でも、減酒であれば治療をやってみようかな?という方は大勢いらっしゃると思います。これを「治療ギャップ(治療が必要な人が治療を受けていない状態)の解消」といいます。
あたらしい考え「減酒外来」
減酒外来は「ハーム・リダクション(危害の軽減)」といった考え方に基づいております。これは、「アルコールをやめられない場合でも、飲酒によって生じる健康上、社会上、経済上の悪影響をできる限り少なくしよう」という考え方です。具体的には、飲酒の「害(ハーム)」を減らすことで、肝臓への負担を軽減したり、飲酒に関連するトラブル(飲酒運転、暴力など)を減らしましょうということです。
減酒治療の「主」は心理社会的治療(カウンセリング)になりますが、最近では「補助」として内服治療も保険上で可能となりました。ナルメフェンという錠剤です。
「減酒外来」で使用されるお薬ナルメフェン
ナルメフェンは、飲酒による快感を抑制することで、飲酒量を減らすように作用する薬です。
ナルメフェンの作用機序
- 脳の報酬系への作用: アルコールを飲むと、脳内の「報酬系」と呼ばれる部位が活性化し、快感物質であるエンドルフィンなどが分泌されます。これが飲酒の「快感」となり、飲酒への欲求を高めます。
- ナルメフェンの作用: ナルメフェンは、エンドルフィンが結合する受容体よりも先に結合します。これにより、飲酒してもエンドルフィンが受容体に結合できなくなり、快感や高揚感が得られにくくなります。
- 飲酒量の減少: 結果として、飲酒に対する満足感が薄れ、自然と飲酒量を減らす効果が期待できます。
ナルメフェンは必要時服用型の薬で、毎日服用する必要はありません。
服用タイミング
お酒を飲む可能性のある日の、飲酒の1〜2時間前に1錠服用します。
飲み忘れた場合
飲み始めた後に気づいた場合は、その時点で服用します。ただし、飲酒終了後には服用しません。
対象者
ナルメフェンは、スクリーニングテストの結果、アルコール依存症と診断された方が対象となります。単に「お酒を減らしたい」という希望だけでは処方されません。
当院での減酒外来、準備中です!
ナルメフェンを用いた減酒外来は、いきなり断酒するのが難しい人にとって、飲酒による健康被害を減らすための有効な選択肢となります。ご興味がございましたら、是非お待ちしております。
※減酒外来を希望され、初めて受診される場合、スクリーニングテストやカウンセリングなどございますので、お時間に余裕を持ってお越しください。
〈執筆者情報〉
内科・循環器内科 又吉 周 医師
2012年東京医科大学卒業。東京・千葉の総合病院にて循環器内科医とし勤務した後、医療法人社団縁風会のユアクリニックお茶の水にて勤務開始。2025年より同法人が新設したお茶の水駅前生活習慣病クリニックへ異動し、働き盛り世代の健康維持をサポートする医師として活躍。
日本内科学会内科認定医・内科専門医、日本循環器学会循環器専門医、日本心血管インターベンション学会認定医、日本禁煙学会認定指導医
