5月はお祭りシーズン!屋台グルメと生活習慣病の意外な関係&賢い楽しみ方
【5月はお祭りシーズン!】屋台グルメと生活習慣病の意外な関係&賢い楽しみ方
さて、初夏の心地よい風とともに、もう少しで日本各地でお祭りが開催されるシーズンになりますね!
お茶の水クリニック近隣でも有名どころでは神田祭や浅草三社祭など、お神輿や盆踊り、そして何よりズラリと並ぶ「屋台」は、見ているだけでワクワクします。お祭りの活気は心のリフレッシュに最高です。
しかし、楽しい雰囲気につられて、つい食べ過ぎたり飲み過ぎたりしてしまう屋台のグルメは、「生活習慣病」の観点から見ると、実は少し注意が必要なものばかりなのです。
今回は、健康をキープしながらお祭りを120%楽しむためのコツをブログ形式でまとめてみました(^o^)
屋台メニューに潜む「4つ」の深い落とし穴
屋台の食べ物が美味しく、そして後を引くのには理由があります。それは、私たちの脳が本能的に求める「糖質・脂質・塩分」が極端に高いからです。具体的にどのようなリスクが潜んでいるのか、メニューごとに解剖してみましょう。
1. 「粉もの+濃厚ソース」による糖質と塩分の過剰摂取
焼きそば、たこ焼き、お好み焼きなどのいわゆる「粉もの」は、お祭りの大定番です。
- 炭水化物の塊: 主原料は小麦粉です。さらに具材に麺やじゃがいもが入ることで、1食でご飯お茶碗2〜3杯分相当の糖質になることもあります。
- ソースの罠: 最も恐ろしいのは、たっぷりとかけられた「ソース」です。屋台の焼きそば1パックには、約3〜4gの塩分が含まれていると言われます。これは、1日の目標塩分摂取量(成人男性7.5g未満、女性6.5g未満)の約半分を1食で摂ってしまう計算になり、高血圧を招く大きな原因となります。
2. 「揚げ物・加工肉」による酸化した脂質とカロリー
唐揚げ、フライドポテト、フランクフルトなどは、手軽に食べ歩きできる人気メニューです。
- 油の酸化:屋台の揚げ物は、同じ油を長時間高温で熱して何度も使うことが多く、油が「酸化」しやすくなります。酸化した油は胃もたれの原因になるだけでなく、体内の炎症を引き起こし、動脈硬化などの血管へのダメージに繋がります。
- 見えない脂質:フランクフルトなどの加工肉には、製造過程で多くの脂質(飽和脂肪酸)と塩分が練り込まれています。脂質異常症や肥満のリスクを直接的に高める「カロリー爆弾」です。
3. 「スイーツ・お酒」が引き起こす恐怖の血糖値スパイク
チョコバナナ、かき氷、わたあめ、そして冷えたビール。
- 急激な吸収: かき氷のシロップや甘いチューハイは「液体」の糖質です。固形物よりもはるかに速く腸から吸収されるため、空腹時に飲むと血糖値が垂直上昇する「血糖値スパイク」を引き起こします。
- 負のスパイラル:血糖値が急上昇すると、それを下げるためにインスリンが大量に分泌され、糖をせっせと脂肪に変えて蓄積します。さらに、急降下した血糖値のせいで「まだお腹が空いている」と脳が錯覚し、また別の屋台メニューに手を出してしまうという悪循環に陥ります。
4. 「早食い・ながら食べ」という環境の落とし穴
食べ物そのものの栄養価だけでなく、お祭りという「環境」にも落とし穴があります。
- 屋台グルメは基本的に「立ち食い」や「歩き食べ」になります。この状態は無意識のうちに噛む回数が減り、「早食い」になりがちです。
- 脳の満腹中枢が刺激される前に次々と胃に食べ物を流し込んでしまうため、気付いた時には想像以上のカロリーを摂取してしまっていることが多いのです。
【要注意!屋台メニューのリスクまとめ】
| メニュー例 | 主な過剰成分 | 高まる生活習慣病リスク |
|---|---|---|
| 焼きそば・たこ焼き | 糖質、塩分 | 糖尿病、高血圧 |
| 唐揚げ・フランクフルト | 脂質、塩分、カロリー | 脂質異常症、肥満、高血圧 |
| かき氷・チョコバナナ | 糖質(特に単糖類) | 糖尿病、肥満 |
| ビール・甘いお酒 | アルコール、糖質 | 痛風、肝機能障害、肥満 |
健康をキープ!お祭りの「賢い」楽しみ方 4ヶ条
せっかくのお祭りです。「あれもダメ、これもダメ」では楽しくありません。現実的で無理のない対策を取り入れましょう。
- 「シェア」して食べる1人前を全て自分で食べるのではなく、家族や友人と分け合いましょう。色々な種類を楽しめるうえに、カロリーや塩分を半分以下に抑えることができます。
- 行く前に「軽く食べておく」 空腹の状態で屋台に行くと、理性が吹き飛んで買いすぎてしまいます。お祭りに出かける前に、家でサラダやゆで卵、冷奴などを軽くお腹に入れておきましょう。食物繊維やタンパク質が血糖値の急上昇を防いでくれます。
- アルコールと同量の「水」を飲む ビールは水分補給になりません。むしろ利尿作用で血液がドロドロになりやすくなります。お酒を飲むときは、必ずペットボトルのお水を持参し、交互に飲むようにしてください。
- とにかく「歩く」!お祭りの最大のメリットは、自然と歩数が増えることです。食べてばかりではなく、会場を隅々まで歩き回ったり、お神輿について歩いたりして、摂取したカロリーをその場で消費しましょう!
★今日のまとめ★
お祭りは日本の素晴らしい文化であり、心を満たす大切なイベントです。屋台の誘惑を完全に断ち切る必要はありません。「何をどれくらい食べるか」を少しだけ意識するだけで、体への負担は大きく変わります。
今年の5月は、心も体も喜ぶ「ヘルシーで楽しい」お祭りライフを満喫しましょう(^^)/!!
それでは、次回のブログでお会いしましょう。
〈執筆者情報〉
内科・循環器内科 又吉 周 医師
診療日・時間
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 08-12 14-18 | 08-12 14-18 | 08-12 14-19 | 08-12 14-18 | − | 08-13 | − |
2012年東京医科大学卒業。東京・千葉の総合病院にて循環器内科医とし勤務した後、医療法人社団縁風会のユアクリニックお茶の水にて勤務開始。2025年より同法人が新設したお茶の水駅前生活習慣病クリニックへ異動し、働き盛り世代の健康維持をサポートする医師として活躍。
日本内科学会内科認定医・内科専門医、日本循環器学会循環器専門医、日本心血管インターベンション学会認定医、日本禁煙学会認定指導医
