毎晩CPAPを頑張っているあなたへ。今、どうしても「心臓のエコー検査」をすすめたい理由
こんにちは、循環器専門医のまたよしです\(^o^)/
当院には、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療でCPAPを使われている患者さんがたくさん通院されています。「毎晩つけるのがすっかり習慣になったよ!」というお声をいただくと、私も専門医として本当に嬉しくなります。毎日の継続、本当に素晴らしいことです。
しかし、そんな皆さんに、私が診察室で「そろそろ、一度心臓のエコー(超音波)検査をしましょうか」とお話しすると、多くの方が不思議そうな顔をされます。
「えっ? 毎晩CPAPをサボらずやってるのに、心臓の検査も必要なの?」
「胸が苦しいわけでもないのに、どうして?」
その疑問、ごもっともです。
今日は、なぜCPAP中のあなたに「心臓エコー」が絶対に欠かせないのか、循環器の専門医として少しお話しさせてください。
そもそも、無呼吸のとき心臓はどうなっている?
睡眠中に呼吸が止まっている間、体の中は一時的な「酸素不足」になります。
そして、ご存知の通り血液の循環には酸素が必要です。
この時、心臓は文句も言わず、血圧をグッと上げて、必死に体中に血液を送り続けようとします。つまり、寝ている間、心臓だけが過酷な残業をさせられているのです。
CPAPは、この「夜間の残業」をストップさせるための、とても優れた治療法です。
じゃあ、CPAPをしていれば安心じゃないの?
「じゃあ、CPAPで残業を止めてるんだから、もう大丈夫でしょ?」と思いますよね。
ここからが、私が一番お伝えしたいポイントです。心臓エコーが必要な理由は主に3つあります。
1. 「過去のダメージ」が残っていないかの確認
CPAPを始める前、何ヶ月、あるいは何年もの間、心臓が夜な夜な残業させられていた可能性があります。その結果、心臓の筋肉が分厚くなったり(心肥大)、少しバテて拡がりにくくなったり(拡張不全)していることがあるのです。これは、普段の生活では全く自覚症状がありません。
2. 今のCPAPで「100%守り切れているか」の答え合わせ
CPAPを使っていても、寝返りの拍子にマスクから空気が漏れていたり、完全に無呼吸を防ぎきれていない日もあります。心臓に「隠れた負担」が続いていないかを、エコーで直接見て答え合わせをする必要があります。
3. 高血圧や不整脈の「火種」を早期発見するため
睡眠時無呼吸症候群の方は、そうでない方に比べて高血圧、心不全、心房細動(不整脈の一種)などを合併するリスクが数倍高いことが分かっています。心臓エコーは、これらの病気が本格化する前の「火種」を圧倒的に早く見つけることができます。
データでも、重症の無呼吸があると、将来血圧が上がりやすくなる(約3倍)ことが分かっています。CPAPで上から抑えるだけでなく、心臓の壁が厚くなっていないかエコーで確認しましょう。
心臓エコー検査は「痛くない・すぐ終わる」
心臓の検査と聞くと「痛い検査かな?」「大がかりなのかな?」と不安になるかもしれません。でも、安心してください。
- 痛みを伴う処置は一切ありません(ゼリーをつけて、胸の上から機械をあてるだけです)。
- 時間は10-15分程度です。
- レントゲンやCTと違い、放射線の被ばくもゼロです。
いわば、大切なご自身の心臓というエンジンに、異常がないかを確かめる「安心のための車検」のようなものです。
まとめ:あなたの「これからの健康」を一緒に守るために
CPAPを続けてくださっているおかげで、あなたの心臓の負担は間違いなく減っています。
だからこそ、その効果をより確実なものにするために、そしてこれからの10年、20年も元気に過ごすために、年に1回の「心臓の健康診断(エコー検査)」をセットで行っていきましょう。
「最後に心臓の検査をしたのはいつだっけ?」と思った方は、ぜひ次回の診察の際、お気軽に私やスタッフに「心臓エコー希望です」と声をかけてくださいね。一緒に、元気な心臓を守っていきましょう!
お気軽にご相談ください。
それでは、次回のブログでお会いしましょう。
〈執筆者情報〉
内科・循環器内科 又吉 周 医師
診療日・時間
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| 8:00-12:00 14:00-18:00 | 8:00-12:00 14:00-18:00 | 8:00-12:00 14:00-19:00 | 8:00-12:00 14:00-18:00 | − | 8:00-13:00 | − |
2012年東京医科大学卒業。東京・千葉の総合病院にて循環器内科医とし勤務した後、医療法人社団縁風会のユアクリニックお茶の水にて勤務開始。2025年より同法人が新設したお茶の水駅前生活習慣病クリニックへ異動し、働き盛り世代の健康維持をサポートする医師として活躍。
日本内科学会内科認定医・内科専門医、日本循環器学会循環器専門医、日本心血管インターベンション学会認定医、日本禁煙学会認定指導医
