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宇宙医学その1

[2025.09.26]

こんにちわ(^^)

お茶の水駅前生活習慣病クリニックのまたよしです。

 

さて早速ですが9月12日は「宇宙の日」という記念日でした。1992年は世界中が協力して宇宙や地球環境について考えようという「国際宇宙年」(International Space Year:ISY)だったこともあり、現・文科省と現・JAXAが制定したようです。

ということで、普段あまり考えることのない「宇宙医学」について少し触れてみましょう。

🛰️宇宙医学とは? 地球を離れても健康でいるために🛰️

宇宙への旅は、人類にとって夢のような挑戦です。しかし、その夢の裏側には、想像以上に過酷な環境があります。無重力、放射線、閉鎖空間での生活...。これらの特殊な環境から宇宙飛行士を守り、健康を保つための学問が、宇宙医学です。

その1:宇宙での体の変化

地球上では当たり前に働く重力が、宇宙ではゼロになります。この無重力状態が、体には様々な影響を及ぼします。

骨や筋肉の減少

体重を支える必要がなくなるため、骨密度が低下し、筋肉が弱くなります。これは、寝たきり状態が長く続いた人の体と似た変化です。特に、足や骨盤などの荷重を受ける部分の骨の強度が平均14%も低下したという報告もあります。これは骨粗鬆症患者の約10倍の速さで進行するとされ、帰還後、回復には数年を要する場合もあります。

体液の偏り

地上では重力によって下半身に集まっていた体液が、顔や上半身に移動します。その結果、顔がむくんだり、心臓への負担が増えたりします。

視力の変化

多くの宇宙飛行士が、宇宙滞在中に近くが見えにくくなる遠視化の症状を経験しています。これは、体液が上半身に移動することで、眼球が圧迫され、視神経が腫れることが原因と考えられています。

バランス感覚の異常

宇宙では平衡感覚をつかさどる前庭器官がうまく機能しないため、帰還後に「重力酔い」と呼ばれるめまいや立ちくらみ、ふらつきなどの症状が出ることがあります。

免疫力の低下

ストレスや放射線の影響で、免疫細胞の働きが鈍り、病気にかかりやすくなります。

放射線被ばくによるリスク

宇宙放射線は、DNAを損傷させ、がんや白内障などの晩発性の健康被害のリスクを高めます。NASAの調査では、約300人の宇宙飛行士のうち、50人ほどで白内障の初期症状が認められたという報告もあります。

 

宇宙空間では、様々な面で身体に影響が出るのですね。

今回はここまで。続きはまた来週です。

 

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御茶ノ水駅から徒歩1分。千代田区・御茶ノ水エリアで生活習慣病の治療をお考えの方にご好評いただいている【お茶の水駅前生活習慣病クリニック】です。

完全予約制・短時間で受診できるスムーズな検査環境で、働く方の健康管理をサポートします。

心電図検査、超音波(エコー)検査、迅速採血検査、体成分分析装置Inbody®(インボディ)、管理栄養士による食事相談など充実。

御茶ノ水駅・新御茶ノ水駅をつかうすべての皆さんにおいて、心筋梗塞、脳梗塞の発症をゼロにするというのが私達のミッションです。


〈執筆者情報〉

内科・循環器内科 又吉 周 医師

2012年東京医科大学卒業。東京・千葉の総合病院にて循環器内科医とし勤務した後、医療法人社団縁風会のユアクリニックお茶の水にて勤務開始。2025年より同法人が新設したお茶の水駅前生活習慣病クリニックへ異動し、働き盛り世代の健康維持をサポートする医師として活躍。

日本内科学会内科認定医・内科専門医、日本循環器学会循環器専門医、日本心血管インターベンション学会認定医、日本禁煙学会認定指導医

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